Z50 ムラーノ試乗記 (2004年9月25日記)
2004年9月2日、日産自動車は2004年度国内市場に投入する 新型モデル6車種を一斉に披露しました。そしてその第一弾として発売されたのが、斬新なデザインと高いパフォーマンスを掲げた新型クロスオーバーSUV「ムラーノ」です。このムラーノは「SHIFT_design」として、「これまでのSUVが持つデザイン感にとらわれることなく、新しいドライビングSUVデザインの可能性を追求するとともに、機能性・快適性の向上を実現したクルマである」と日産自動車がうたっているとおり、あらゆるデザイン面での斬新さが伺えますが、日本というどちらかというと保守的な国民性の中で、デザインという人の主観的な部分に対しどこまで受け入れられてもらえるのか興味深いものです。 ムラーノは2002年12月より既に北米で発売されており、これまでに約8 万台の販売を達成した人気商品です。そして昨年10月の東京モーターショーで参考出品されたのを切っ掛けに、日本での発売を望む声が高くなってきたことが今回の発売となったようです。アメリカではそのライフスタイルからステーションワゴンに人気があり、昨今それに代わる新しいスタイルとしてSUV人気が高く、日本の自動車メーカーだけでなくヨーロッパの自動車メーカーも挙ってSUVの投入を開始しています。ムラーノも元々アメリカ市場向けに開発された商品であることからアメリカンサイズなクルマとなっていますが、日本への投入が遅れたのは、このアメリカンなサイズが日本でも受け入れられるかどうか?と言うことも関係していたと思います。
さて、今回試乗させて頂いたのは350XV FOUR(3.5リッターの4WDのタイプ)で、3グレードの中でも最上級のモデルでした。個人的に驚いたことに、4WDモデルは3グレード中このモデルしかありませんでした。クルマの形から全てに4WD設定があっても不思議ではない様に思えますし、多くの方もそう思っているのではないでしょうか。しかし、試乗するにつれ、この辺りが日産の考えるクロスオーバーSUV、ムラーノの性格を大いに表している部分であるようにも思えました。
■超ワイドな室内空間 先にも書きましたが、ムラーノはアメリカをターゲットとしているため、そのボディーサイズは国内でもトップクラスのものです。角の取れた外観デザインの為それほど大きく見えませんが、全長以外日産の最高級車プレジデントよりも大きく、室内サイズに至っては全ての寸法においてプレジデントを上回っています。シートも大きくユッタリとした室内空間は、運転にも気持ち的にも余裕を感じる空間でした。この広い空間がSUVの大きな特徴の一つであり重要なファクターの一つなのです。