運転席のシートに腰を下ろした瞬間、シートの柔らかさを感じました。高級セダンのリアシートに腰を下ろすと、その柔らかさに驚くことがありますが、新型ティアナのフロントシートも適度ながら意外な柔らかさを感じたのでした。もちろんリアシートのような極端な柔らかさではありませんが、フロントシートとしてはかなり柔らかい造りとなっています。また、ドア内側に配置された大型のアームレストがシートの形状と合いまり、まるでソファーのようなデザインになっています。
「モダンリビングの考え方」が初代ティアナから継承されているだけあって、新型ティアナのインテリアにはかなりの拘りがあるようです。
インテリアを構成するパーツには、基本内装色(素材)に、木目、マット調のアルミ、クロームメッキなどいろいろな素材がバランスよく組み合わされ、モダンなデザイナーズファニチャーのイメージを十分に醸し出しています。また、センターコンソールのエッジ部分のアルミ素材などを構成するパーツが、あえて面あわせをしない立体感のある取り付け形状となっていることに新鮮さを感じました。
初代ティアナはダッシュボードがとても大きく感じましたが、新型ティアナのダッシュボードはとてもスマートでドライバーや同乗者に威圧感を与えないモノとなっています。それ以上に、立体的なデザインが柔らかさや温もりを感じさせ、新型ティアナのインテリアで一番個性的な部分であると思います。また、センターコンソールは全面が木目で、緩やかなカーブ形状と共に新型ティアナのインテリアでもう一つの特徴となっています。これら特徴あるデザインが、新型ティアナのモダンリビングを強く印象付けている大きなファクターとなっています。
メーター類はシンプルで大きく、中央に車両情報ディスプレイがあり警告やインフォメーションをドライバーに知らせます。
フーガやティーダなどのメーター周りはアルミのトリムで縁取りされドライバーに「走り」を意識させるモノとなっていますが、新型ティアナのメーター表面にはメーターを形取った透明なアクリルカバーがレイアウトされ、3連メーターのトリム形状を作り出しています。そのアクリル素材に反射する光がアルミ材質のそれとは異なり、煌びやかな明るい光の反射を演出しています。更に、夜間には自光式のメーター光が映り込むように光り、今までにないイルミネーションとなっています。
ティアナと言えば助手席のオットマン機構が初代から採用されています。決して運転するドライバー自体は恩恵を受けないのですが、その機構で同乗者に喜んでもらう事がドライバー(クルマの持ち主)の喜びに繋がるようにも思え、後部座席も広く、同乗者全員に「くつろぎ」を提供しています。でも時には、クルマの持ち主だって助手席でのんびりとオットマン機構を味わいたいものですね。
車内は静かで、走行中エンジン音が気になることはありませんでした。風切り音、タイヤのロードノイズも少なく、これはペイントシールやボディ発泡材などで穴や隙間を徹底的に塞ぎ、吸遮音材を最適位置に配置することで外部から入ってくる騒音を効果的に遮断し、高い静粛性を実現しているそうです。また、風切り音を最小化する形状のドアミラーの採用や、VQエンジンには6点式エンジンマウントを採用し、エンジントルクを分散、走り出し時や加速時のエンジン音を低減しているようです。
乗る人すべてに「くつろぎ」を提供することを目指しているだけあって、乗る人の視覚(モダンなデザイン)、聴覚(静かさや各種動作音)、触感(シートの柔らかさ)などに拘が感じられ、運転していてもセレブな感覚を味わうことができると共に、老若男女問わず多くの人に好まれるデザインになっています。
初代からインテリアに拘ったティアナ、2代目では更に洗練されたものに進化しました。
【新技術】
新型ティアナには、シートベルト素材の新しい織り方で、引き出しやすく、着用しても圧迫感が少ない「低フリクションシートベルト」が採用されています。また、片手で簡単に着用できるように、ベルトの金具を差し込む留め金を上向きに固定するタイプも導入され、さらに後部座席は3点式シートベルトとする他、差込口の位置が分かり易く装着しやすい「後席シートベルト自立バックル」が採用されました。
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